献血のバイトは、初期臨床研修を終えた医師免許保持者であれば、基本的には誰でもできる仕事である。
一言で言えばかなりハードルが低い。
今回はそんな献血バイトの、仕事内容や給料について。
献血バイトの仕事内容
献血バイトの仕事内容は、大まかに分けて
- 問診票のチェック(主に渡航歴、内服歴など)
- 簡単な問診
- 採血可否の判断
- 献血者体調不良時、緊急時の対応
の4つがある。
1、問診票のチェック(主に渡航歴、内服歴など)
基本的な仕事は、輸血用血液を作成するにあたって、使える血液かどうかを判断する事。
そのため、例えばマラリアの蔓延地域に1ヶ月前に行ってきて蚊に何回も刺された人は基本的にアウト。
他にも例えば持病の膀胱がんで数ヶ月前に手術をした。これもおそらくアウト。
輸血用の血液を媒介して疾患、感染症などが広まらないよう、医師が責任持って判断しなければならない。
基本的にはこの作業はマニュアルが存在するため、それに従ってやれば良い。
海外渡航歴があるならば、直近いつまでにどの地域はダメ、とか具体的に記載されている。
内服があるならば、どんな理由で内服しているのかによってこの薬はダメ、オッケーなども一覧になっている。
このマニュアルに沿って問診票のチェックを行えば基本的には問題ない。
2、簡単な問診
問診票だけでは、献血の可否について判断しかねる場合がある。
例えば問診票に「渡航地域:アフリカ」と書いてあったとして、アフリカのどの地域にどれくらいの期間、どんな目的でどれくらい前まで行っていたのか、確認する必要がある。
生物学的研究のためにコンゴ共和国の森奥深くに訪ねるのと、観光目的に南アフリカのケープタウンに行くのとでは、同じアフリカでも何かを媒介している可能性が段違いである。確認する必要があろう。
また内服薬などについても、必要に応じて確認をする。
3、採血可否の判断
上記の問診票、問診に合わせてバイタルサイン、体温などを確認した上で、最終的に献血の可否を判断する。
医師の献血バイト代は、この判断の責任代だと思っても良いかもしれない。
4、献血者体調不良時、緊急時の対応
まれだが献血中に体調不良を訴える人がいるため、その対応も医師の仕事である。
多くの場合、献血開始初期の体調不良は迷走神経反射である。
学校や大学など若者が多くいる施設で行う献血バスに同乗して行くと、僕個人の体感としては確率が高まる気がする。きっと強がってやる子が一定数いるんだと思う。
献血開始してしばらくたってからふらつき、起立性低血圧のような症状を来している場合、多くは血管内脱水による一過性低血圧である可能性が高い。
この場合、流石にさらに血液を引くのは難しいので献血を中止せざるを得ないだろう。
献血バイトの時給
医師の献血バイトの給料は、大体1日5万円程度。10時から17時、休憩1時間抜きで6時間5万円程度なので、時給は1時間弱というところ。
医師のバイトの中では決して高い給料ではないが、誰でもできて体も疲れないので、忙しい毎日の中のちょっとした休憩くらいのつもりで行っても良いかもしれない。
献血バイトの注意点
献血バイトの注意点は、集合時間や場所が異なる事がある事。
大きい献血センターでの仕事は基本的に動かずその場で行うが、場合によっては献血バスで別の場所に移動して献血を行ったりするため、集合時間や場所が臨機応変になる時がある。
気を抜いて行くと、就業場所と時間が違っていた、なんて事もあり得ない話ではない。
献血バイトをするなら
献血バイトなど、隙間時間を使って単発のスポットバイトをするなら医師バイトドットコムが非常に便利なのでオススメ。
比較的自宅近くの案件が見つかる事が多い。
また複数のバイトを掛け持ちするのであれば、医師賠償責任保険にも入っておいた方が良い。
バイト先での対応に不備があって訴訟になった場合、医師個人に責任を問われるケースがあり、そういった時に金銭的な対応の保証があると安心できる。