医者をやめたい、医局を抜けたい。
でもいつ辞めるべきなのか、いつ抜けるべきなのかわからない。
そうしていつもギリギリの所で止まって、結局自分では何も変える事ができずにいる。
そういう気持ちで生きているお医者さんって、結構多いのではないかと思う。
医者という仕事の大変さは医者になるまでわからない
どんな仕事でもそうだと思うが、その仕事に就いてみないと本当の大変さはわからないものだ。
特にこの医者という職業は、医療ドラマや漫画でそのカッコよさばかりが強調され、神格化されがちである。
そうなってくると、なかなか医者という仕事のリアルをイメージしにくいと思う。
僕もその内の1人だった。
実際に医者になってみて、仕事そのもののハードさもそうだけど、それ以外の事で嫌になってしまう事がある。
- 患者家族のクレーム
- 自分と自分の家族の事だけを優先して考えるスタッフ
- 今まで常識だと思っていた事が一切通じない若手
- たまに仕事をしたと思ったら若手をいびるだけの老害医師
もう白衣を破り捨てて聴診器をぶち破って、電子カルテの画面をぶん殴って「やめます!」って言って病院から走り出したい。
そういう危険な衝動に駆られていた時が、僕にもあった。
いつやめるべきか?
では一体、いつやめるべきなのか?
僕はやめたい時にやめるのが1番だと思う。
実際、僕の知り合いで医師をやめて今は働いていない人が何人もいる。
1人は医師という信用余力を余すところなく発揮し、不動産投資で成功して経済的な基盤を作りやめた。
1人はバーを経営しつつ、民間企業で働いている。
彼らを見ていて思うのは、別に医者をやめたところで決してすぐ死ぬわけではないのだな、という事。
どうせ暇になれば、何か別の事をやり出すくらい、僕たちの体には忙しく働き動く事が染みついている。1年もぼーっと過ごせば間違いなく飽きる。
きっと医者以外の何かを始めるまで、そう時間はかからないだろう。
そもそも医師になる事ができる能力があれば、他の分野でもソコソコ成功する確率は高い。
もしダメだったら、また医者を始めれば良い
究極的な話をしてしまえば、もし困窮するくらい金銭的に困ったりしたのならば、また医者をやればいい。
若い時みたいにバリバリと働き、難しい症例に最新の医学で挑むような事はできなくても、医者という人材を必要としている仕事はゴマンとある。
何も恐れることなど、ない。
いつ医局をやめるのか
医者をやめる前に、医局に入っている人はまず医局をやめるべきだろう。
医局をやめるタイミングや言い訳は様々で、時には噓も方便だ。
無駄に波風を立てる必要は無いから、なるべく穏便に終わらせておこう。
少しでも医者を続けることに迷いが生じたら、まずは医局をやめる。
そこから始めるべきだ。
なぜならば嫌になった理由が医局にあるのか、それとも医者という職業にあるのか、わからないからだ。
本当に辛い時はその2つを混同してしまう。
本当は医局のしがらみや仕事の押し付け合いなどが嫌なのであって、医者として働くことは嫌いじゃ無いのかもしれない。
医局と無関係の病院で働けば、意外と楽しく働けるのかもしれない。
その場合に医者をやめてしまうことは、社会にとってもあなたにとっても勿体無い。
落ち着いて医局をやめる段取りを考えよう。