献血や検診。
これらは医師の行うバイトの中でも参入障壁が少なく、ある意味医師バイトの入門とも言えるバイトである。
同時に献血も検診も、常に一定以上の需要がある。輸血用血液確保は常に必要な仕事であるし、企業や公的機関の健康診断も定期的に行われる仕事であるからだ。
また、いずれの仕事も全国各地で行う事ができる。献血も検診も全国各地、田舎から都会まで需要があるからだ。
さて、いきなりだが僕はこれらのバイトを後期研修になってすぐに開始した。
理由は、初期研修上がりで法律的にも実力的にも全く問題なくできる仕事だからだ。
医師のバイト、いつから始められる?
ルール的には初期研修終了直後、つまり医師3年目からすぐに開始する事ができる。
業務内容的には、正直どちらも初期研修中から十分に行えるレベルである。
献血バイト
献血の仕事は基本的に
- バイタル測定(多くは看護師が行う)
- マニュアルに沿った問診
- マニュアルに沿って「献血の可否」の決定
という流れだ。実際の穿刺は看護師が行う。マニュアルが完璧に出来上がっているので、ほとんど思考を介在させる隙がない。
唯一献血時での仕事で医師らしい、医師が必要な時があるのが、穿刺時の迷走神経反射など、不測の事態への対応だ。
基本的には献血によって血管内のボリュームが急激に低下するため、起立性低血圧も起こりやすい状態にはなっている。
その場合は血管内にボリュームを入れるのが唯一の解だが、そこまで対応しなくてはならなくなったケースは、過去数十回以上やっていてほとんど無い。
健診バイト
主に
- 血液検査の解説
- 心電図の読影
- 胸部レントゲンの読影
- 心雑音や呼吸音の聴取
などを行う。
それに合わせた問診も行い、何かしら健康を害する可能性がある要素を発見したら報告する、というのが業務内容になる。
血液検査の結果は異常値でわかるし、本気で取り組まなければならないのは簡単な雑音聴取と心電図の読影、レントゲンの異状を発見するくらいだろう。
中には女性専用の検診バイト、乳がん検診なども存在する。
医師のバイト、相場は?
バイトの種類によって異なる。
誰でもできるような、参入障壁の少ないバイトである献血や検診は、概ね6時間程度働いて5万円くらい、時給1万円弱だ。
寝当直のバイトも24時間で10万〜15万程度で、夜のみだとその半分くらいが相場になる。
外来のバイトも同じくらいだ。
専門科に特化した、例えばオペ麻酔のバイトなら1日働いて20万程度は貰えるという。
いずれの場合も、日中ゆるりと働いて5万、週1で当直して10万が貰える。そうするとバイトだけで週30万、月120万、年間1500万くらいにはなるはずだ。
バイトは可能ならなるべく早く開始した方が良い
僕個人の意見としては、バイトはなるべく早く、可能なら3年目になったらすぐ開始した方が良い。
そしてなるべく多くの、色々な種類のバイトをしてみたら良い。
理由はいくつかある。
医師の仕事は多様で様々な事を実感しよう
まずは医師としての仕事は本当に様々で、需要が高いという事を実感できるからだ。
医学部6年を卒業し、国家資格である医師免許を取得、そして2年の初期研修を終えた人間というだけで、多くの仕事が舞い込んでくる。
これを実感することは非常に重要だと思う。
それだけ自分の持っているライセンスは効果が高く、就いている職種は需要が高いということを感じよう。
いざとなればバイトに逃げれば生活はできるという事を知ろう
これから先、医師人生を歩んでいく上で大変な目に何回も会うだろう。
そんな時
バイトだけの人生にまで逃げてくれば、生活は成り立つんだ
という事を実感できる。心理的な逃げ道が確保される。
献血や検診だけでも十分過ぎるほど仕事があるが、それ以外にも透析や当直、様々なバイトが存在する。
将来何かに迷ったり、疲れて仕事をやめたとしても、バイトの世界に入れば生活するのは難しくない、という事を知っておく事は重要だ。
過去記事にも書いたように、過労死したりうつ病になるくらいなら、辞めてしまえば良い。
しかしながら、この「バイトに逃げても生活は成り立つ」という事実を知らなければ「やめる」決心がなかなかつかないだろう。
自分の命を守るためにも知っておくべきで、そのためにもなるべく後期研修中に早く様々なバイトを経験する事をオススメする。