医師として忙しく働いて、ある程度の給料をもらう。働けば働くほど残業代や当直手当が出て、給料は増える。
だから給料を増やすために、たくさん働く。
こう考えて過酷な労働条件に耐えながら働く医師は一定数存在する。
多額の奨学金を借りていたり、家のローンがあったりする場合が多い。
しかし、そうやって我慢して過酷な労働を重ねれば重ねるほど、医師は自分の首を絞めることになる。
働けば働くほど年収は増えるが、税率も高まる。
2018年現在、日本は累進課税制度で課税されている。これは所得税において、所得が多くなれば多くなるほど税率を高めるという制度である。
つまり働けば働くほど額面年収は増えるけれど、税率も高まるため手残りはそれほど残らないという事になる。
時間あたりの給料が減る
具体的な例を見てみよう。
- 医師A:年間労働時間2400時間、総支給年収1200万、時給5000円
- 医師B:年間労働時間3600時間、総支給年収1800万、時給5000円
共に総支給から計算される時給は5000円。
額面年収1200万の医師Aの手残りは、計算すると約850万円(2018年現在)。
額面年収1800万の医師Bの手残りは、計算すると約1150万円(2018年現在)。
手残りを各々の年間労働時間で割って、手残りの実質時給を計算すると以下のようになる。
- 医師A:850万/2400=実質時給3542円(小数点四捨五入)
- 医師B:1150万/3600=実質時給3194円
となり、時給が348円、率にして9.82%も時給が減少する。
働き過ぎると人生が消耗していく
一生懸命働けば働くほど、仕事以外のことをする時間が無くなってしまう。
家族や子供、趣味、旅行に割く時間は減り、医師以外の別の仕事など、人生の肥やしになる対象に時間を使う事さえ出来なくなる。
さらに、自分の実質時給は働けば働くほど下がってしまう。
医師が馬車馬のように働くことは、労働効率の面からすると非常に効率が悪いという事がわかっていただけただろうか。
そうしてどんどん、人生がすり減って消耗していってしまう。
気づいた頃にはすり減って疲れた中年になっているかもしれない。
人生を消耗させないためには
医師が馬車馬のように働くことは効率が悪い、という事はもう理解できたと思う。
つまりその逆、ほどほどに働いて好きなことをやって、ほどほどの給料をもらうのが最も効率が良いことになる。
しかし、それをやろうと思ってもできない医師が多くいる。
彼らを邪魔する要素はいくつか存在する。
結婚、子供
結婚して子供がいて、彼らを養う必要がある、というのが最も多い。
特に若くして結婚し子供がいたり、子供が多かったり、複数回結婚・離婚を繰り返していたりすると、彼らを養う必要性がある。
養う必要性が高まれば、お金がよりたくさん必要になる。
お金をたくさん手に入れるには、非効率な労働でもとにかく働かなければいけない状況になってしまう。
こうならないようにするための選択肢は3つ。
- ある程度資産がたまってから結婚する。その資産を運用し、労働以外の収入を得る。
- 子供の人数を少なく抑える。養う人数を減らし必要なお金を減らす。
- そもそも結婚しない。
いずれかの方法で予防することができる。
贅沢な生活
大きな家、高級車、高価な食事、ビジネスクラスの飛行機。世の中に溢れる贅沢品。
これらに一切関わらない。
世間では「医師は高給取り」というイメージが先行しているため、そのイメージ通りの生活をしようとする医師はたくさん存在する。
しかし上記のように、必要なお金が増え、頑張って働けば働くほど、じわじわと人生は消耗していく。
彼らは自分で自分の首をしめている。
まとめ
働けば働くほど時給が下がる日本では、働きすぎは人生を消耗させる
働きすぎなくても良いような、金銭的余裕を持てる人生設計が必要
そのためには結婚、子供、贅沢品について控えめな選択をする