医師のライフハック

医師が開業する時に注意したいこと

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とにかく開業すれば勝ち、という時代は終わった。

日本の人口は2013年をピークに減少を続けており、今後高齢者の数もピークを迎える。

そんな日本において、日本人だけを相手にした個人医院というビジネスは、徐々に旨味が減ってきている。

そもそもの医療費、開業医の収入源は日本国の財源であり、元を正せば国民からの税金。日本という国が沈めば、医療業界全体も沈んでいってしまう。

何の考えもなしに開業すれば、いずれはこの大きな波に飲まれ消え去ってしまうだろう。

そうならないために、開業する際に意識しなければならない事が5項目ある。

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1、見込み客

医院を開業するにあたって、必ず意識しなければならない項目の1つは商圏。どの範囲の人を顧客とするかが重要になる。

例えばA、B、Cという3つの土地があったとする。

Aは都会の駅前で立地は良いが、周辺に似たような開業医が複数ある。

Bはど田舎で周りに医院は無いが、家もない。

Cは地方都市で住宅地のど真ん中、開業医の数はそれほどなく、少なくとも自分が開く予定の専門科は近くに見当たらない。

Aの場合、一見開業にはもってこいな場所な気がする。確かに都会の駅前であれば見込み客は多いが、周辺に似たような開業医があるためその頭数で割らなければならない。1日200人来院する可能性があるとして、頭数が4であれば1病院あたりの見込み客数は50になってしまう。

Bの場合、自分の病院しか医院がなさそうで一見良さそうだが、見込み客数が少なすぎる。1日10人くれば良い方だとしよう。

Cの場合、住宅地という事もあり内科や小児科、産婦人科など若年層が多数住んでいる事が予想される。見込み客数は1日100人としよう。さらに競合もいないため、その100人まるまる自分の病院に来院すると考えられる。

そうすると、Cは見込み客数が100であるのに対し、Aは50、Bは10という事になる。

場所を選ぶ際、商圏からイメージできる見込み客数を考慮する必要がある。

 

2、アクセス

病院にとってアクセスの方法は重要なファクター。

基本的に専門性が高ければ高いほど、遠くからでもその病院へ患者はやってくる。

そのため高い専門性を発揮した開業をしたければ、公共交通機関や高速道路からのアクセスが良い必要がある。

逆に内科など一般的であればあるほど、患者は近くの開業医を受診しやすい。そのためバス停からの距離が近く、広い道路沿いなどの立地が良い。車でのアクセスが主体になりようなら、広い駐車場が必要になる。

求められるアクセスは住んでいる地域、開業する科で異なるため、どういう顧客がターゲットでどうやって来院するのか具体的なイメージを持つ事が非常に重要。

今後は高齢者がさらに増え、1人暮らしの高齢者も増えるだろうから公共交通機関からのアクセスはかなり重要になるだろう。

 

3、客単価

ターゲットにする相手、実際に来院する患者数が大体わかったら、今度は客単価を計算する必要がある。

例えば消化器内科で開業するとして、痔核手術と検診検査、どちらがいくらくらいの保険点数になるか。また1日何軒くらいずつ行うか、ざっくり計算する。それら以外の単価が低い一般診療の数も、ざっくり計算する。

すると、来院数に単価をかけあわせれば1日の売り上げ高が出る。そこからスタッフの給料、消耗品費を引いて、いくら残るかを計算しよう。

 

4、借入金

そこまで計算できたら、いくらまでなら借入金を借りられるかを計算しよう。

例えば1億を年3%で借りたとして、だいたい300万は利息だけでも返さなくてはならず、利息込みで年間960万返すとする。年間240日営業とすれば、1日4万円は利息と借金の支払いで消える。

なので1日の売り上げから経費を引いて、そこからさらに4万引いてプラスにならなければならない。そうなるよう、借入金総額や利率、想定できる売上高を考えて計画を立てよう。

 

5、設備投資

これまでの手順で、逆に借入金はいくらまでなら借りられる、というのがわかる。

そこから設備投資にいくら使えるのかも計算できる。土地、施設、レントゲンなどの高額機器はもちろん、細かい消耗品や人材確保にも費用がかかるので注意が必要。

順番としては、まず土地。例えばアクセス方法に車が必要なのであれば広い駐車場は外せない。土地が最優先される。施設の豪華さなどはいらないので、あまりそこにお金をかける意味は無い。

医療機器に関しては専用のコンサルティング会社が中継に入ってくれたりすれば、結構値切ることができるらしい。額が額なだけけに、コンサルティングフィーを払ってでも値切り額の方が大きいとなれば、コンサルタントを雇っても十分ペイする。

間違っても

「設備は十分だけど、お金がなくて人を雇えません」
「開業したは良いものの借入金が多くて利息がきつすぎてずっと赤字」

なんてことにならないように注意したい。

大学時代の友人が某大手銀行に勤めている。

一昔前は医院開業というだけでまず融資が通ったらしい。銀行にとってもとりっぱぐれがない美味しいビジネス、美味しい取引先だったのだろう。

しかし今は、ただ開業というだけでは以前のように簡単に融資が通らないと言う。

上記の内容を計算し、どれくらいの返済ペースでどれくらいまでに完済できるのか、具体的な数字を出さなければまず融資は通らない。

これからの時代、医師が開業すると一口に言っても勝ち組と負け組がはっきりする時代になりそうだ。

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