恋愛・結婚 コラム

医師がローンを組んで家を購入、建てることの愚かさ

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結婚して子供がいる医師で、医師10年目付近になってくると意識する事がある。

いわゆる夢のマイホームというやつ。

医師室では、その年代の医師がマイホーム建設に関する話をしている時がある。

「○◯って会社は高かったけど見積もり通りだった」

「△△はオプションがいろいろついた結果結構高くついた」

「坪いくらだった?」

など。かかっているお金も巨額で、一生の事なので失敗したくないのだろう、話に花が咲いてしまって中々終わらない。

マイホームが欲しくなるタイミングは人それぞれある。

よく聞こえて来るのは

「子供が生まれ、ある程度育ってきて広い家に住みたい」

「ドタドタうるさくて騒音が心配だから集合住宅には気を使って住めない」

「最近は物騒だから集合住宅は避けたい」

など、どれも確かに一理あるものばかり。しかし果たして、医師にとって持ち家を持つという事は良い事なのだろうか。リスクはないのだろうか。

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医局に支配されるリスク

家を買うということは、基本的にその地域に定住する事になる。

もちろん、例えば東日本大震災のように自然災害でその地域が壊滅してしまった時、他地域に住むという選択をせざるをえない場合もある。

そういった特殊な例を除けば、ほぼ「家を買う=その地域に骨を埋める」という事になる。

もし医師として一生働くのであれば、特定の地域でずっと働くには、その地域を支配している医局に属さなければならない。

少なくとも2018年現在は、医局に全く属さずに特定の地域でずっと働くのは難しい。

そうなると、家を買うという行為は「医局の支配下で働くリスクを許容」しなければできない。

 

地方都市は特に注意

医局の力が弱い地域もあるが、多くの地域特に人口規模が比較的大きい地方都市ではまだ医局の力が強い。

そういった医局の影響力が強い地域で家を買うと、まず間違いなくその「影響力が強い医局」に属するもしくはそれに準ずる形で支配下にならなければならない。

逆に東京など思い切った都会の方が、まだ「特定の医局の天下」ではない環境であるため、ある意味完全に支配下にならずとも医師として働いていける。

そういった意味では、人口がそこそこいる地方都市に家を構えることのリスクは高い。

 

単身赴任で余分なコストが生じるリスク

医局に属している場合、多くは数年スパンで異動を命じられる。

所属している医局の規模にもよるが、巨大な医局であればあるほど一般的に関連病院が多く、様々な地域にとばされる可能性がある。

例えば、A県A市のA大学病院の医局に所属していたとする。

A市は周辺地域でも有数の都市部で、A大学病院は周辺地域でも最も医局員の多い、影響力の強い医局。

そのA大学の医局に属していて、隣のB県の病院へ赴任するよう命じられた。

転勤があった場合、家族ごとついていくか男だけ単身赴任するか、どちらかを選ぶことができる。しかし上記の例の場合、家を買ってしまっているので単身赴任になることがほとんどだ。

そうして単身赴任になると、1人暮らしのコストが余分にかかる。

家賃はもちろん、1人暮らしであれば食費も追加でかかる。電気やガスなどの利用料も、購入した家で生活をシェアしていた家族とは別でかかってしまう。

家を購入していなければ、家族ごと転勤に合わせて引っ越すことでコストを抑える事ができる。あるとすれば引っ越しコストぐらいだろう。

このように、巨大な医局に属して家を購入した場合、購入した家以外のコストも普通に支払うリスクが存在してくる。

逆に支配地域が狭い医局に属すると、家を購入したとしても転勤が近場で引っ越しの必要がない場合もある。

また、A大学の医局の力が巨大なので、Bの隣のC県、その隣のD県にまで関連病院がある。そうするとB県の病院の勤務が終わったとしても、A県に戻ってこれるとは限らない。C県やD県にとばされてしまう可能性もある。しかも数年スパンで。

巨大な医局に属している人は、特定の地域で家を建てるなどという事はやってはいけない。

 

これからの日本で戸建を建てる事そのもののリスク

2013年、日本は人口のピークを迎えた。

あれから5年、日本の人口は減少の一途をたどっている。

人口動態は未来をかなり正確に計算できるツールだ。日本の人口は減る、これは間違いない。

そうなると、特定の都市に寄り添うようにして住むしか無くなる。人が減るのだから仕方がない。つまり、人口が増える少しの地域と、人口が減る大量な地域が生まれる。

そうなると、多くの地域では人口が減るのだから、そこに今から家を建てる、という行為そのものがかなりのリスクになる。

もちろん、自分の予想は必ず当たるという未来予知能力者がいれば、特定の地域では人口が増えるだろうからその地域の不動産を購入する事は間違っていない。もちろん現実的ではない。

さて、医師の給料は元はと言えば医療費、国からの財源である。

さらに日本の人口減少に付き合って家を買う。ローンを組んで、一生懸命働いて身を粉にして時間をつぶし、馬鹿正直に利息を払って残された家の価値は、数十年後どれだけになっているだろう。

そこまでして医師は日本という国と一蓮托生、運命を共にしたいのだろうか。

日本でしか使えない医師免許に人的資本を投入し、さらにレバレッジをかけて金融資本を日本の不動産に投入する。日本の未来に全力ベットするようなポジションを取るのは、かなりのリスクだと言える。

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