バイト 医師のライフハック

どんな人が医師賠償責任保険に入るべき?

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医師賠償責任保険は、今や多くの医師が加入する保険である。

大手で金額も安い民間医局が最も有名である。万が一医療訴訟になった際の損害賠償金はもちろん、弁護士費用やバイト先での補償もあり、内容面でも充実している。

さて、この医師賠償責任保険の金額は年間4〜6万程度が相場である(2018年現在)。びっくりするほど高いわけではないが、決して安い金額ではない。

決して安い金額ではないが、万が一の時の安心感は大きい医師賠償責任保険。一体どんな人が医師賠償責任保険に加入するべきなのだろうか

 

非常勤やバイト勤務が多い人は必ず入ろう

まず真っ先にあげられるのが、複数の病院で働いている人である。

常勤で働いている場合、万が一訴訟になったとしても病院側を相手取る事が多く、また医師個人の責任を仮に問われたとして、病院が加入している保険でカバーされる場合もある。

しかし、非常勤やバイトで働いている医師が訴訟を起こされた場合、病院側の保険でカバーしきれない場合がある。そういった時、いざ訴訟となると完全に自分1人で対応しなければならない。

つまり、非常勤勤務やバイト勤務が多い人ほど、自分で訴訟に備えなければならないという事になる。

 

勤務先の数ではなく、労働比率がバイトに偏っている人は入るべき

ここで「非常勤やバイト勤務が多い」とは、勤務先の数が多い事ではなく、単純に労働の割合の多くが非常勤やバイト勤務に注がれているという事である。

勤務先が80箇所あっても、週1回のバイトだけであればそれほどリスクはない。結局年間約48回しかバイトに行かないからである。

勤務先が5箇所でも、週3回非常勤とバイト勤務がある人の場合リスクは高い。

回数にして年間144回ほど行くことになり、一定の確率で医療訴訟が起こるとすれば「常勤勤務でない病院で訴訟を起こされる確率」は単純に週1回の人と比べて3倍存在する。

フリーの医師や、非常勤のみ週3で勤務している医師などはリスクが高いと言えよう。

基本的に保険とは、掛け金が同額であればリスクが高い人ほど加入する旨味があるので、このような人たちは医師賠償責任保険に加入することで得をするだろう。

 

10%の訴訟率を怖いと感じる人

医療訴訟を起こされる確率、というのをご存知だろうか。

某大手医師調査会社のアンケート調査によると、医療訴訟に巻き込まれた事がある医師は全体の約10%、つまり10人に1人が医療訴訟に巻き込まれた事がある計算になるという。

一度裁判になると、年単位で時間がかかる。中には数十年争うケースも存在するだろう。裁判関連に大量の時間が奪われ、確実に肉体的には疲労する。

さらに言えば「万が一敗訴したら多額の損害賠償金を払わなくてはならない」と思いながら数年間を過ごすのは、かなり心が削られるだろう。

さらに、弁護士ドットコム(https://www.bengo4.com/iryou/1117/n_1106/)によれば、一度医療訴訟になった際、医療機関および医師側の敗訴率は20%であるという。一度裁判になると5人に1人は敗訴してしまう計算になる。

つまり100人医師がいれば、10人医療訴訟に巻き込まれ、うち8人は勝訴となるが、2人は敗訴してしまう計算になる。

医学部が1学年大体100人であるから、自分の学年のうち10人が訴訟になり、うち2人は敗訴してしまう。

こう考えると、決して他人事ではない事がわかるだろう。

つまり、医師賠償責任に加入した方が良い人は

  1. 10%の確率だが、いざ裁判になった時「保険に入っていない」という事実に耐えられない人
  2. 2%の確率だが、いざ敗訴した時に「損害賠償金を支払う」という状況に耐えられない人

だという事になる。

逆に2%の確率は無視できる、10%の確率で訴訟になっても問題ない、というメンタルの持ち主は加入しなくても良いだろう。

つまり答えは「確率と実際にそうなった時のダメージ」、期待値に対して自分が耐えられるかどうかという事にある。



 

後期研修医も医師賠償責任保険には入った方が良さげ

後期研修医は問答無用で加入するべきだと僕は思う。詳しくは別の記事に書いたので、そちらを参照してほしい。

一言で言えば、後期研修医は知識やスキルはピヨピヨなのに、責任だけは一人前なのである。

もちろんまだ専門医ではないし、経験も知識もスキルもない。これは当たり前で、別に後期研修医が悪いわけではない。初期研修を終えてから時間がそんなに経っていないのだから、仕方がない。

しかし、他科の医師や患者、患者家族からすると「一人前の医師」なのである。

一応他科の医師は、自分の科の後期研修医がどの程度なのかわかっているから「完全に一人前」とは思わないだろう。だが患者や患者家族など、非医師からすれば後期研修医は「若い専門家の先生」という認識になる。

そうなると、もちろん責任も一人前に発生してくる。

後期研修医は、実能力が無い割に過大評価を受け、それに伴い責任も過大になっている。

バイトも始まるだろうし、後期研修医は医師賠償責任保険加入が必須なのである。

学会加入、医賠責…後期研修医になったらやるべき3つの事

まとめ

非常勤やバイト勤務が多い人
10%の確率が怖い人
後期研修医

これらのどれかにあてはまる人は、医師賠償責任保険に加入しておいた方が良いだろう。

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