後期研修医

学会加入、医賠責…後期研修医になったらやるべき3つの事

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後期研修医になると、初期研修医だった頃とは世界が変わる。

1つは専門科が決まる。1つはバイトが解禁される。

他にも変化は多々あるが、その変化に対してまず行うべき事は3つある。

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1、学会に入る

自分の専門科目を決めたら、まず最初に行うべきなのは学会に入会することである。

学会に入会する事の目的は、専門医を取得するために他ならない。

そして、取得したい専門医が決まったら早めに学会に入会する事をオススメする。

専門医取得にあたっていくつか条件があるのが普通だが、そのうちの1つとして「一定年数以上学会会員である」というものがある。多くは4〜6年程度である。

この条件は言わば「時間」を条件にしており、自分の努力で後々どうにかできる問題ではない

 

時間は買えない

例えば学会に入会するのが1年遅れてしまった後期研修医がいたとする。そして専門医取得に4年間学会員である事があげられるとする。

彼は後期研修を2年終えたところで「時間縛り以外の全ての条件」をクリアし、今にでも専門医試験を受ける事ができるようになった。しかし、彼は遅れて学会に入会したため、あと3年は専門医試験を受ける事ができない。

一方初期研修2年目から学会に入会していた同期は、後期研修2年で症例などの条件をクリアし、あと1年経てば学会に入会してから4年が経過するため、来年には専門試験を受ける事ができる。彼はいま専門医試験の勉強をイソイソとやっている。

このように、時間というものは後から変えようがなく、歯がゆい思いをする事がある。

 

まず条件を調べる

だからといって関連学会全てに入会するのはいささか早計である。

効率よく事を進めるためには、まず取得する可能性がある学会のホームページを調べ、専門医取得までに必要な学会入会年数(以下、必要年数)を調査しよう

その必要年数が長ければ長いほど、専門医取得にあたって時間がかかるという事になる。つまり時間コストがかかり、効率化をするべきターゲットである。

そのため取得する可能性が高い学会のうち、必要年数が長い学会から順番に優先して早く入会するべきである。

必要年数が2年しかない学会を1年早めたところで、その差は1年しかない。

最大で2年しかその差は縮まらない。

しかし、必要年数が10年ある学会(そんなのあるかどうかは知らない)を、3年早める事ができるのは大きい。

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2、バイトでお金を稼ぐ

医師のバイトは今が一番オイシイ、という事を 僕がバイトを頑張る理由 に書いた。

初期研修中は原則バイト禁止であったが、後期研修医になればバイトが解禁される。なるべく早くバイトを始めて稼いだ方が良い。

もちろん、家がお金持ちでお金は要らない、という人は全くもってやる必要はない。

 

専門医が無い後期研修医ができるバイトは?

とはいっても専門科としてはまだまだ未熟なので、専門科目のバイトをする事は難しい

所属している医局や病院の斡旋でそういった内容のバイトもあるかもしれないが、少なくとも自由市場で探すのは難しいだろう。

なので、初期研修で培った救急スキルを使って、まずは療養型病院の寝当直バイトあたりから始めるのが良い

他にも初期研修中に腎臓内科をローテして透析の穿刺をやった事があれば透析バイトもできる。中には穿刺を看護師がやる病院もあるため、急変対応に備えて医師室で控えているだけのバイトもある。

また献血や検診など、ほとんど専門的なスキルを必要としないバイトもある。

心電図、スパイロ、血液検査、内科一般診察など初期研修医の知識とスキルでも十分できるような内容のバイトもある。

献血、検診…医師のバイトはいつから始められる?相場は?

 

スポットバイトから始めよう

流石にいきなり定期の非常勤バイトに就くのは少しプレッシャーなはず。まずは単発のスポットバイトから始めてみよう。

そこでオススメしたいのが 医師バイトドットコム である。

ここは本当にスポットバイト案件が豊富で、近所のバイト先がすぐに見つかる。

さらにメールを登録しておくと、自分の居住地域周辺の案件が流れてくる。それを眺めて「これいいな」と思う案件があれば連絡する、という気軽なやり方もできる。


 

後期研修になったら、とりあえず登録だけでもしておいて損はしない。

 

3、医師賠償責任保険に加入する

医師賠償責任保険、通称医賠責。この名前を聞いたことのない医学生、初期研修医はもはやマイノリティだろう。

これは医療行為をやっていて訴訟を起こされた際の保険である。

医療行為によって損なわれるのは患者の健康、機能、時には命であるため、その責任内容が問われることは非常に重たい

初期研修医の頃はまだ上級医に守られ、ぬくぬくとする事ができただろう。ましてや医学生時代など、まさか自分が訴訟を起こされて敗訴するなんて未来を想像しているはずがない。

しかし、後期研修医になったら医師賠償責任保険には必ず加入した方が良い

どんな人が医師賠償責任保険に入るべき?

 

実能力と責任が乖離している

初期研修医と後期研修医の大きな違いは、責任の有無にある。

基本的に初期研修の頃は、医師免許を持っているとはいえ何の専門家でもなく、特殊な医療行為に関しては専門医および指導医クラスの上級医の監督のもと行なっていたはずだ。少なくとも責任が問われることはあまり無い。

しかし後期研修医になると、いきなり「その道のプロ」としてみなされる。少なくとも他科や患者、患者からは「専門の先生」として見られるようになる。

それに伴い、自分が行う全ての医療行為の責任は基本的に全て自分の責任になる。これは結構無茶な話である事が、後期研修医になればわかる。

後期研修医になったばかりの医師はまだ「初期研修を終えただけの単なる医師」であり、とても専門の医師とは言えない。専門医の取得まで数年かかるのが普通であるから、本来であれば専門家としてみなせるようになるまで後期研修を開始してから数年はかかる。

しかし後期研修になった途端、責任だけは一人前になる。

経験や知識は乏しいだろうけど、周りからは「その道のプロ」という目で見られるようになる。そうして周りからは無条件の信頼があり、それに伴う責任の増加がある。

ある意味後期研修医は実能力と責任が最も乖離している時期であり、最も危険な時期だと言える。

 

医師の100人に2人は訴訟を起こされ敗訴している

実際にどれくらいの確率で訴訟を起こされ、そして敗訴するのだろうか。

訴訟を起こされる確率と、医療裁判が敗訴になる確率が独立しているとするならば、これらをかけあわせる事でその数字が算出される。

訴訟を起こされる確率は、某大手医師会員サイトのアンケート結果によれば約10%、10人に1人が訴訟を起こされた事があるという。

さらに、弁護士ドットコム(https://www.bengo4.com/iryou/1117/n_1106/)によれば医療訴訟の敗訴率は20%であるという。これは他ジャンルの裁判と比較して低い敗訴率であるが、それでも一度裁判になると5人に1人は敗訴してしまう計算になる。

これらから導かれる、医師が訴訟を起こされ敗訴する確率は10%と20%の積、2%という事になる。

つまり100人に2人、1学年に2人は実際に患者から訴訟を起こされかつ敗訴するのである。

この数字は無視できない。決して他人事ではない。

ましてや専門家としてはピヨピヨなのに責任だけは一人前の後期研修医は、この2%という数字よりも高いと思った方が良い。

そもそも10%で訴訟に関わる、という事実もかなり怖い。敗訴はしなくとも、実際に訴訟になって裁判になり、自腹を切って弁護士を雇い数年も争うなんて、結果がどうであれ身も心も疲弊してしまう。

そんな中「保険に入っていた」という事の安心感は大きいはずだ。万が一敗訴しても、損害賠償金は払わなくて済む。

その状態で数年過ごすのと

敗訴したら破産するかもしれない…

と思って数年過ごすのとでは、人生の疲弊具合が全くもって異なる。

2%の敗訴リスク、10%の訴訟リスク。これらに怯えて過ごすのであれば、月5000円くらい払って医師賠償責任保険に加入してしまった方が、人生を無駄に消耗せずに済むと思う。

 

バイトをやるなら加入必須

以上を踏まえると、後期研修医になりバイトを開始したと同時に、民間医局の医師賠償責任保険には加入した方が良い。

常勤で働いている場合、裁判を仮に起こされても病院側を相手取る事があるし、もし医師個人に裁判を起こされてもある程度まで病院側の保険でカバーされる事が多い。

しかしバイト先で何かしらトラブルがあった場合、カバーされない可能性が高い

そのため複数の病院にバイト勤務している人は最もリスクが高いと言える。

自分の身は自分で守らなければならない

医師賠償責任保険は様々な種類が存在するが、有名な会社には民間医局がある。

この会社は医師賠償責任保険以外にも、バイトの紹介を行なっている。

後期研修医になったら医師賠償責任保険に加入するついでに、バイトの案件をメールに流してもらうと効率が良いのでオススメだ。


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