医局という組織は、なかなかにひどい組織だ。
まるで崖の上にある細い道を、落ちないように渡りきらないといけないゲームのよう。
途中で強い風が吹いたり、雨が降って滑りやすくなったり、あらゆる罠が仕掛けられている。
そうして落ちていった医局員達を目の前にしながら、自分もその道を進まなければならない。
何十年というスパンをかけて。
僕はとても居続ける事はできなかった。
医局を脱出、抜けると人生がラクになった
医局にいた頃は、本当に毎日が忙しかった。
日常の臨床だけでもめまぐるしくて、ずっと働き続けて2週間が経ち、やっとの休みをもらえたと思ったら気絶するように熟眠。余暇は全て睡眠。
そんな睡眠さえ、妨害される時もある。
当直明けにぶっ続けに働いて、やっとの思いで家に帰り、明日は休み。久々に味わう「明日は休み」という心の余裕が、気分を上げてくれる。
仮眠を取って飲みにでも行こうと思っていたら、上司から電話。
いきなりで申し訳ないんだけど、学会の発表者が少ないから、急遽何か発表してくれない?明日までに大枠作ってメールして
と。
今思い返しても本当にイライラする。
医局を辞めた今、こんな日々から脱出し十分な睡眠時間、仕事以外の時間を持てるようになり、人間らしい生活を送る事ができている。
医局を脱出して、本当に良かった。
医局脱出のメリットとデメリット
医局にはもちろんメリットもあればデメリットもある。
医局に入る事のメリットと言えば、やはり医師としての多くの先輩に指導を仰げるところだろう。
大学病院や医局は確かにひどい組織だと思うが、それでも一定数の医師を集めているのは、やはり若手医師にとって魅力を感じる部分があるからだ。
実際にいた身としては、確かに多くの事を教わったし、医師としてググッと成長できたとは思う。それに対して失った物が大き過ぎたが。
また医学研究という意味では、1つ大きなアドバンテージがあろう。
これらのメリットを失う事が、医局に入らない、もしくは医局脱出のデメリットではある。
医局に反旗を翻す…事なく水面下で、医局脱出の算段をしろ
医局を脱出すると言っても、いきなり反旗を翻して上司とケンカ別れをする、というのはやめるべきだ。可能ならば避けた方が良い。
ご存知のように医師という世界はそれなりに狭いし、最近は人材も流動的なので全国各地で元上司に出会う可能性がある。
ではどうしたら良いのか。僕はまず水面下で動くことをオススメしたい。
水面下で医局脱出の算段を取る方法
水面下に、医局を辞めて別の働き口を探す算段を整えよう。
まずバイト先を自力で探す。スポットバイトでも良いが、可能ならば定期非常勤のバイトが良い。
そこでいくつかの病院で働いて、労働条件的にそこそこ良さそうなバイト先をキープしていく。
これを何回か繰り返し、良さげなバイト先を増やす。
こうする事で、手持ちのバイト先のQOL純度を高める。
そして一生懸命働いて信頼を得る。信頼関係を構築する。
そしたら次に、その病院の上司にあたる人物に、医局を辞めるかもしれない事をコッソリ伝えて、定期でこれからも来れそうかどうか確かめよう。
その病院の医局人事によっては「来年から医者が増えるからちょっと無理そう」とか、事情がある。まあ遠回しに断られている可能性も否定できないが、それも含めてなんとなく尋ねておくべきだ。
バイトを探すなら、下記の記事を参考に。
算段が取れたら、いざ医局上層部へ辞意表明
そしていくつかの確約した手札を手に入れたら、医局上層部に辞職の意を伝えよう。
この方法の良いところは、将来が確約されるというのももちろんあるのだが、それ以外にも心理的な作用が大きい。
未来が決まって入れば気持ちが揺らぐ事は無いし、不安も無い。心理的に医局脱出への後押しにもなろう。
水面下に医局脱出の算段を取る事は、実は一気に医局脱出に近づく事ができるのだ。
医局が嫌だ、本当にやめたいけどどうしたら良いかわからない、という人にこの方法をオススメしたい。
確実に医局脱出へ近づく事ができる。