いざ医師が転職しようと決めたところで、何に注意して事を進めれば良いのかわからない。
何に注意するべきなのか、どんなタイミングで転職するべきなのかわからないから、ダラダラと今の医局や病院で働き続けてしまっている。
そういう医師は多いのではないだろうか。
フリーになる前の僕もそうだった。中々踏ん切りがつかず、モヤモヤとした気持ちのまま毎日を過ごしていた。
今回はそんな医師の転職の、タイミングと注意点について。
医師の転職、適切なタイミングは?
医師の転職で適切なタイミングとは何だろうか。
医師の転職には人それぞれ理由がある。一概にこのタイミングが良いという事はない。
ただ、僕が個人的に
このタイミングなら辞める!
と思うタイミングが、いくつかある。
1、明らかに待遇が悪いと感じたタイミング
まずは労働条件、待遇が明らかに悪いと感じたタイミング。
労働条件が悪い病院は、三次救急を掲げている、私立系の病院が多い。医者をなるべく安い給料で馬車馬のように働かせないと、利益が出ないからだ。一方経営母体が県や市だと、経営に関してはやや緩い。
多くの場合、医局人事で強制的に赴任させられる病院でこのような思いをするだろう。
自ら望んだ転職先で、事前に労働条件について交渉して「待遇が悪い!」と言っても、それは自分が悪い。
若手の頃はこのような病院に赴任を命ぜられる傾向が強い。医局によっては一部の人間にだけこういった負荷がかかる人事配置を強制してくる。
待遇の悪い未来が見えたタイミングで転職してしまおう。
2、先が見えないと思ったタイミング
病院全体が縮小傾向だったり、人口が減少し病院として人が余っていたり、経営上赤字が続いて存続そのものが怪しいなど、未来が見えない病院に勤務している場合も転職を考えて良いだろう。
これは病院だけではなく、医局という組織にも同じことが言える。
何となく
このままだと先が見えないな
と自分が感じたならば、そのタイミングで転職しよう。
安全で平坦な道でも、目を閉じて歩き続けるのは非常に勇気がいる。そして多大なストレスがかかる。
先が見渡せる道を歩きたいものだ。
3、職場の人間と一緒に仕事をするのが本当に嫌になったタイミング
上司、同僚、スタッフ、医局員、周りの人との人間関係に心から嫌気がさした時も、転職のタイミングとしてはアリ。
医師の転職は一般的なサラリーマンの転職と異なり、基本的に職務内容は大きく変わらない。逆に変わるものと言えば
- 働く場所
- 使える道具、施設
- 一緒に働く人
など、ハード面だけが基本的には変わる。
医師は転職によって仕事内容を変えずに、人間関係をゴソッと入れ替える事ができる珍しい職業である。これはライセンス職だからこそ成り立つ。
逆に言えば、上記のハード面に嫌気が指したらそれは医師にとって転職の好機でもある。
医師の転職、やめたい時がやめ時
ごちゃごちゃ言ったが、結局のところ言いたいのは、やめたい時にやめても割と大丈夫だという事。
実際に転職してみると思いの外転職先候補というのはたくさんあるし、自分を必要としている病院がたくさんある事がわかるだろう。
外の世界は思いの外広く広がっている。
医師の転職における注意点
医師の転職では、以下の注意点に気をつけよう。
1、医局との関係が崩れないように注意
医局を辞める際、波風が立たないのであればそれに越したことは無い。
医局との関係性が壊れても良いから、とにかく今すぐ辞めたい!という人は仕方がないが、そうでない場合はなるべく穏便に終わらせておいた方が、後々気持ちの面でも非常にラク。
波風を立たせずに医局をやめるための方法については医局を辞めるなら転職エージェントを使うとスムーズに詳しい。
2、フリーランスやバイト医になるならさらに注意
フリーランスやバイト医になるのであれば、さらに注意が必要だ。
詳しくは【医局に入らない】医師がバイトだけで生活するために必要なモノ【バイト医】へ。リンク
3、転職によってあなたの不満は解決されるかどうか
医師の転職において最大の注意点は、今抱えている不満が転職によって本当に解決されるのかどうか。
不満の内容によっては転職しても解消されない事もあるし、転職しなくても解消できる可能性がある。
詳しくは医師の転職、具体的な手順を参照。
医師人生をより有利に歩むために
医師の人生をより豊かに、より有利にする事は僕は非常に良い事だと思う。
何も考えず、行動せず、ただただ文句を垂れ流しているよりもよっぽど良い。当事者意識があって問題を解決しようとする意欲がある。
医師にとって転職とは、そんな医師人生を豊かにするための手段の1つとして有用。あくまで手段として。
しかしながら、医師の転職には落とし穴も存在する。
その落とし穴にいかに落ちずに、良いとこ取りをするか。メリットだけうまく享受するか。
医師人生をより有利に歩むためには、医師の転職で失敗しないためのコツを理解する必要がある。