ついこの前、後輩と酒を酌み交わす機会があった。
彼は初期研修あがりでバイト医として生活している。
彼は比較的頻回に転職を繰り返しており、医師の転職支援会社のエージェントに「転職回数が多すぎる」と小言を言われたらしい。
確かに、あまり転職回数が多いと何かその人に問題がある、と思ってしまうのは理解できる。
医師の転職回数、何回以上はマイナス評価?
では実際、医師の転職回数はどれくらい多いと次の転職でマイナスの影響を与えるのだろうか。
5以上は多い、10以上はアウト
彼の話では、勤務先病院数が5個以上で「多い」と思われ、10個以上は「アウト」だと言われたらしい。
僕の後輩は初期研修を途中でドロップアウトして病院を変えている。さらに初期研修を終えてから総合病院に入るも辞め、クリニックに入職。
数えてみると、勤務先病院数は4つになっている。確かに小言を言われても仕方ないのかもしれない。
医局人事を除いて、転職回数が5回というのは確かに多い。
10回というのは聞いた事が無いが、エージェントの人が言うのだから、実際には存在するのだろう。
回数も大事だが、勤務年数がより大事
また、彼の話では「若くして転職回数が多い事が問題」だと言われたという。
どういう事かというと、1病院あたりに連続して勤務できる年数が短い医師は、敬遠されるという事のようだ。
例えば30年戦士の医師が5箇所の病院で働いても、1箇所あたり6年働く計算になるが、4年戦士が4箇所の病院で働いては、1箇所あたり1年しか働いていない計算になる。
転職回数というよりは、勤続年数。
こちらの方が重要視されるようで、転職回数は勤続年数を算定するにあたって参考にされる数字に過ぎない。
何回も転職せずにうまくやっていく方法
フリーランス医師やバイト医にとって、医師の転職支援会社やバイト紹介会社からの信頼は命綱である。
これを失っては本当に単なる無職になってしまう。
この信頼を失わないためにも、なるべく若いうちの転職回数は増やさないでおくべきだ。
常勤で1つの病院で働くのは転職回数増加のリスク
個人的な感覚だが、常勤で1つの病院で働いているのは、転職回数が増える事のリスクだと思う。
もし常勤先の病院で何か嫌な事、衝突、看過できない事があったりした際、その勤務先の事を嫌になってしまう。それが原動力となって、職場を変えようと思って次の常勤先を探す、というのが転職回数が多い人にありがちな行動パターンだろう。
それもそのはず。常勤で1つの病院に働くという事は、基本的には週5でその病院で働く事であり、人生の大半の時間をそこで過ごす事になる。その時間が苦痛なのであれば、転職したくなる気持ちもわかる。
そこで僕としては、複数の勤務先を持つ事をオススメしたい。
非常勤+バイトで複数の勤務先を持つ
例えば4つのバイト先を持っていたならば、そのうち1つで何かトラブルがあっても、あくまで4つのうちの1つ。月20日働くとして、1ヶ月で5日しか働かない勤務先に過ぎない。
そうするとメンタル面が非常に楽。1週間くらい間を開けてまた次そのバイト先に行く、という事がそれほど辛く無い。
これが1つの常勤先だと、明日、明後日、そのまた翌日と続けて同じ病院に行かなければならない、精神的なプレッシャーがかかる。
もちろん全部単発バイトだと中々難しいだろうから、良さそうな病院の非常勤定期バイトをいくつか持っておくのが良いだろう。
実際にどうやって勤務先の病院を探すのか、という事については【タイプ別】医師の転職サイトの選び方を現役医師が解説を参照。