医師として働いていてたまに脳をよぎる言葉、転職。
辛い時に
とりあえず転職すれば良くなるかなー
なんて思いながらも、目の前の仕事を淡々と片付け、時間だけが過ぎていく。
僕にもそういう時期があった。
しかし1度芽生えた「転職しようかな」という芽は、消える事なく心の中に残り続ける。
医師として働いていて感じる理不尽な事、大変な事。
凹んでいて何かにすがりたい時、全てを投げ出したくなる時。
あらゆる場面でその芽が育ち、やがて強い意思へと変わっていく。
医師が「転職しようかな」と思ったらやるべき4つ手順
心の中で「転職」の2文字が少しでもよぎったら、いきなり転職するのはやめておいた方が良い。
なぜなら転職によって今の不満が改善されるかどうか、それはわからないからだ。
そこで、まずは自分の不満カードを作ってみる事をオススメしたい。
具体的な手順としては
- 5項目のうちどれに不満があるか書き出す
- 改善したい順に優先順位をつける
- どうやって改善するかを上から順番に考える
- いつ転職するかを考える
必要なものは紙とペン。ノートでも良い。30分もあればできると思う。
1、5項目のうちどれに不満があるか書き出す
医師として働いていて、仕事に漠然とした不満がある時、その不満は大きく5つに分ける事ができる。
それは
- A、時間がない
- B、お金がない(給料が少ない)
- C、仕事内容に不満
- D、人間関係に不満
- E、病院設備に不満
の5つ。
自分の心の底に沈んでいる、泥の中に埋まっているあらゆる不満をまずは書き出してみよう。そしてそれら1つ1つの小分類を、この5分類のうちのどれに当てはまるのかを振り分けよう。
例えば
という人は、主にCとEに不満がある事になる。
という人は、BとEに不満を持っている。
2、改善したい順に優先順位をつける
次に大分類5項目を「改善したい順」に並べてみよう。
上記例の医師Aの場合は大分類DかEがトップになるだろうし、医師Bは大分類BかEがトップになるだろう。
また順位をつけるだけだとわかりにくいので、改善したい度を合計100だとして、100を振り分ける形にするとなお良い。
3、どうやって改善するかを上から順番に考える
次に「改善したい度」が高い項目から、どうやったら改善できるかどうかを考えていこう。
例えば医師Aの場合、最新機器に関しては院長に交渉次第で買ってもらえる可能性はある。症例に関してはいかんともし難いので、病院そのものを変えるしかなそうだ。
病院の立地に不満がある場合、それはもう勤務先を変えるしか改善方法はない。
次に手順2でつけた、自分の中での大分類の重要度順にその改善策を見てみよう。
医師Aにとって大分類C(仕事内容の不満)が最重要項目である場合、仮に機器が新しくなっても最大の不満は消えない事になるので、職場を変える事が最適解となる。
大分類E(機器がない事による病院設備の不満)が最重要項目である場合、院長に機器購入を交渉してダメだった場合転職を考えれば良いのであって、まずやるべき事は院長への機器購入の打診である。
こうする事で、自分の不満の根源が何で、それがどれくらい自分の中で優先度が高くて、どうする事で改善できるのか、が見えてくる。
場合によっては転職がしないと改善できない項目もあるだろうし、いきなり転職しなくても病院の上層部や上司と交渉する事で改善される可能性がある。
多くの場合労働時間やお金の不満が多いが、単純に給料が足りないだけならば、まずは単発バイトだけでも探してみても良いかもしれない。
この手順に従って自分の「不満カード」を作れば「自分の心の底にある現状に対する不満を」最短ルートで効率的に解決する手助けとなるはずだ。
4、いつ転職するかを考える
それでもやはり転職しないと解決できない問題は多々存在する。
- 上司と合わない
- 職場の人間関係がめんどくさい
- 設備が古い
- 症例が偏っている
など、病院特有の現象は、努力によって改善できる程度に限りがある。
逆に時間が無い、お金が少ないといった不満は、上司に相談して少し仕事量を減らしてもらったり、院長に給料について相談したりして改善される余地は十分ある。
改善しようと試みた上で、不満の解決が難しければ、次に考えるべきはいつ頃転職するか。転職のタイミングについてだ。
- 自分の手持ち患者をいつ上司に渡すか
- 外来患者にどう説明して、その後のフォローをどうするか
- 医局にはいつ伝えるか
- など考えることはたくさんある。
そして大体いつ頃に病院を辞める事ができそうかわかったら、いよいよ次の勤務先探しをする事になる。